ロマン・ロラン研究所の紹介
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ご挨拶
理事長 西成勝好
この度、私は理事長に選任され就任いたしました。理想に燃えておられた創設者の宮本正清先生、宮本先生の死後、尾埜善司先生は困難な状況を克服して維持発展させられましたが、一身上のご都合で辞任されました。両先生のロマン・ロランの精神を伝える強い意志を、私は法灯を守るというような気持ちで引き継ぎ、微力ながら尽力していきたく存じます。
ロマン・ロランと私のかかわりは50年ほど前のことになりますが、高校での学園祭にロマン・ロランの戯曲「愛と死の戯れ」を友人たちと上演したことがきっかけでした。当時、ヘルマン・ヘッセと並ぶ人気のロマン・ロランでしたが、残念ながら現在あまり読まれなくなりましたが、これまで常に私の支えになってくれました。人間が人間として尊厳を保ちながら生きていくうえでロランに力づけられた人は数多くいます。
本研究所との関わりは30年近く前にフランスに滞在していた際、パリの街角でロマン・ロラン財団のあることを知り、ロマン・ロラン夫人とお会いして、文献や手紙などの整理のお手伝いをし、日本に帰り、宮本正清先生に手紙を書いたことから始まりました。
当研究所は毎年、講演会・読書会などの活動をしてきましたが、今年も別紙の通り、講演会・読書会、朗読会などを引き続きいたします。
今年は特に、ロマン・ロランが戦争反対を訴え続けた第一次世界大戦終了90年の年に当たり、「平和主義者ロマン・ロラン」と題して国際シンポジウムがフランスの生地と終焉の地で開催されます。それに合わせて「ロマン・ロランの足跡を訪ねる」旅を企画しております。どうか奮ってご参加くださいまして、今後とも本研究所の活動にお力添え賜りますようお願い申し上げます。